実際の株主優待


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株主優待の仕組みについて別の項でご説明いたしました。それでは、株主優待とは具体的にどんなものがあり、どのようにして提供されるのでしょうか。
株主優待は基本的にその会社の製品やサービスを株主にも試してもらおうという趣旨のものが多く、JALやANAなどの航空会社なら無料航空券を提供したり、JRや私鉄の場合は無料の乗車券が提供されたりします。よく金券ショップに行くとこれらの株主優待券が売られているのを目にしますが、これらは実際に株主の人がもらった株主優待券を自分では使わないので金券ショップに売却したのでしょう。
またイオンなどのスーパー、伊勢丹などの百貨店では購入金額に対して一定のキャッシュバックがあったり、株主だけの特別割引があったりします。
このような株主優待は現在では株式投資の投資先を決める重要な要素になりつつあります。筆者も一時期ワタミの株式を保有していたことがありますが、この株式を売却しようと思った矢先に株主優待券が届きました。ワタミというのは最近でこそ介護福祉事業で名前が知られるようにもなりましたが、元々は「和民」などの居酒屋チェーンを運営している会社です。そんなワタミの株主優待は、やっぱり居酒屋の飲食券です。筆者は200株所有していたので飲食券は1万2000円分。1000円の優待券が12枚届きました。1回につき1人1枚まで使えるということでした。ワタミはそれほど高くない居酒屋なので、2人で飲みに行ってもせいぜい3000~4000円程度です。そんなお勘定から1000円×2で2000円が優待されるのですからタダで飲食しているようなものです。これはいいということで筆者は最後の1枚まで使わせてもらいました。この時に思ったのですが、売却しようとした株式にこんな実用的な株主優待があるのなら、まだ継続して持っていようと思いましたから、株主優待は株主に引き続き株主で居てもらうためには有効な手段だと思いました。例え株主優待でかなり安いお勘定で飲食したとしても、他の居酒屋に行くかも知れなかった筆者が和民に行ったとすると、株主優待は売り上げに貢献する手段でもあることに気づきました。
このように株主優待は非常によく出来たシステムなので、上場企業の各社が色々な趣向を凝らした優待を行っているのです。
これはひとつ注意して頂きたいのですが、株主優待は全ての上場企業が行っているわけではありません。また、中には自社の製品やサービスが一般の人には直接必要になることがない場合(例えば建設クレーンを作っている会社だとしたら、株主にクレーンを配っても使えませんね)もあります。全ての上場企業がユニークな株主優待を行っているわけではありませんので、事前に優待の内容についてよく検討してください。

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このページは、isが2007年11月28日 12:57に書いたブログ記事です。

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