is: 2007年11月アーカイブ

実際の株主優待


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株主優待の仕組みについて別の項でご説明いたしました。それでは、株主優待とは具体的にどんなものがあり、どのようにして提供されるのでしょうか。
株主優待は基本的にその会社の製品やサービスを株主にも試してもらおうという趣旨のものが多く、JALやANAなどの航空会社なら無料航空券を提供したり、JRや私鉄の場合は無料の乗車券が提供されたりします。よく金券ショップに行くとこれらの株主優待券が売られているのを目にしますが、これらは実際に株主の人がもらった株主優待券を自分では使わないので金券ショップに売却したのでしょう。
またイオンなどのスーパー、伊勢丹などの百貨店では購入金額に対して一定のキャッシュバックがあったり、株主だけの特別割引があったりします。
このような株主優待は現在では株式投資の投資先を決める重要な要素になりつつあります。筆者も一時期ワタミの株式を保有していたことがありますが、この株式を売却しようと思った矢先に株主優待券が届きました。ワタミというのは最近でこそ介護福祉事業で名前が知られるようにもなりましたが、元々は「和民」などの居酒屋チェーンを運営している会社です。そんなワタミの株主優待は、やっぱり居酒屋の飲食券です。筆者は200株所有していたので飲食券は1万2000円分。1000円の優待券が12枚届きました。1回につき1人1枚まで使えるということでした。ワタミはそれほど高くない居酒屋なので、2人で飲みに行ってもせいぜい3000~4000円程度です。そんなお勘定から1000円×2で2000円が優待されるのですからタダで飲食しているようなものです。これはいいということで筆者は最後の1枚まで使わせてもらいました。この時に思ったのですが、売却しようとした株式にこんな実用的な株主優待があるのなら、まだ継続して持っていようと思いましたから、株主優待は株主に引き続き株主で居てもらうためには有効な手段だと思いました。例え株主優待でかなり安いお勘定で飲食したとしても、他の居酒屋に行くかも知れなかった筆者が和民に行ったとすると、株主優待は売り上げに貢献する手段でもあることに気づきました。
このように株主優待は非常によく出来たシステムなので、上場企業の各社が色々な趣向を凝らした優待を行っているのです。
これはひとつ注意して頂きたいのですが、株主優待は全ての上場企業が行っているわけではありません。また、中には自社の製品やサービスが一般の人には直接必要になることがない場合(例えば建設クレーンを作っている会社だとしたら、株主にクレーンを配っても使えませんね)もあります。全ての上場企業がユニークな株主優待を行っているわけではありませんので、事前に優待の内容についてよく検討してください。

株主優待とは


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株式投資がブームとなって久しい昨今、株主優待も株式投資の魅力のひとつとして大きく注目されるようになりました。現在の株式投資ブームを支えているのはオンライントレードを中心に取引している個人投資家です。これまでの主役であった機関投資家(保険会社や銀行、投資会社など、大きな資金を運用する投資家)と違って、個人投資家の目線は極めて庶民的です。機関投資家は巨額の資金を株式に投資し、株価の変動や配当によって利益を生み出します。つまり現金による利益を追求しています。それに対して個人投資家は投資の規模も小さく、あくまでも個人資産の範囲なので数万円から数十万円単位の利益を目指している人がほとんどです。そんな金銭感覚の投資家にとって、株式を持っていることによって得られる株主優待は非常に現実的な魅力となるのです。
そもそも株主優待とはいったい何でしょうか。それをご説明するために、まず株式の仕組みについておさらいしておきたいと思います。
会社には色々な形態があります。合名会社、合資会社、有限会社、そして株式会社。有限会社と株式会社についてはよく耳にするのでよくご存知ですね。合名や合資に対して、有限会社と株式会社は有限責任と言いまして、その会社を設立するために出資したお金の範囲でしか責任が発生しないという法人です。株式会社の最低資本金は1千万円ですから、仮に資本金1千万円の会社を設立して、その会社が倒産してしまったとしても最大の責任範囲はその1千万円です。会社がそれ以上の借金や負債を抱えていたとしても1千万円までです。そうでないと会社を設立する意味がないですからね。
そんな法人のうち株式会社は広く色々な人から出資を募って会社を設立する仕組みになっています。その出資を証明するために株券を発行し、それを持ってもらうことによって株主となります。株主は持っている株券の分だけその会社を所有していることになります。上場している株式会社の場合は、株式市場で株券を購入する(=出資する)ことが出来ますから、株式を購入した状態の人はその会社にとっては出資者、つまり株主であることになります。
会社にとって、株主は会社の部分的な所有者でもあり、お金を出してくれている人でもあるので当然優遇する必要があります。せっかくなので自社の商品やサービスを提供することによって自社の業務を株主にもっと知ってもらおうということになり、色々な特典が提供されます。これが株主優待です。

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