株主優待の情報: 2008年2月アーカイブ

株主優待狙いの売買


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株主優待が大きく注目され、株式投資の中で存在感を増しているという状況の中、当然と言えば当然でしょうが、最初から株主優待を狙って株式投資をする投資家が登場するようになりました。別の項で詳しくご説明していますように、株主優待を受ける条件を満たしていれば誰でも株主優待を受けることが出来ますから、割当基準日と言って株主優待を受ける対象者となることが確定する日を狙って株式を購入すれば確かにそれは可能です。上場銘柄はたくさんありますし、それぞれの企業の割当基準日はまちまちですから権利確定して株主優待を受けたら売却して、また次の株式を購入する、ということを繰り返せば一年中株主優待ばかりを狙って売買をすることが出来ます。このような投資手法は果たしてアリなのでしょうか?
結論から先に申し上げると、可能ではあるがお勧めは出来ないという答えになります。このような投資手法が実際問題可能なのは先ほどお話した通りです。ですが、これは株式投資の最も重要な要素である株価の変動を全く考慮していません。
"株で儲けた"と言っている人は株の一体何で儲けたのかと言うと、一番多いのは安い時に買って、高くなったら売るというトレードに成功したというケースでしょう。このような差益のことをキャピタルゲインと言います。一方、毎年支払われる配当や株主優待は株式を持っているだけで発生するものです。キャピタルゲインとは全く違うところで発生する利益です。
さて、それでは株価を大きく動かす市場心理を考えてみましょう。株主優待が大きく注目されるようになったということは優待狙いの投資家が増えているはずです。権利確定した直後にその株式を持っている必要がないということで売却する人がたくさん居たとしたら、当然株価は大きく下がります。その逆も然りで、人気のある優待を行っている企業の株式の権利確定が近づいている時には株価も上昇するはずです。つまり、株主優待ばかりを狙うあまりに高値を掴んで安値で手放すはめになってしまうため、優待どころか株価変動で大きな損失を被ってしまう可能性があるのです。
また、最近ではこのような優待狙いの投資家ではなく長期保有してくれている株主を優遇する傾向が見られるため、株主優待を1回ではなく年2回に分けるようなところもあります。これだと最低でも年2回の基準日に株式を保有している必要があるため、それならずっと持っていようとなることを目論見としています。また長期保有していると、1年よりも2年目のほうが手厚い株主優待が受けられるという企業も登場し、この傾向はさらに加速するものと思われます。
やはり結論としては、より手厚い優待を受けたいと思うなら株式を長期保有した方が得策と言えそうです。

株主優待を株式投資の利回りとして算入


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株式投資は数ある投資の中のひとつです。他にも銀行預金や投資信託、商品先物や今はやりのFXまで、あらゆる投資商品があります。その中で株主優待のように商品やサービスをもらえるという投資商品は株式以外にありません。ある意味では株式投資のユニークな点と言っても良いと思います。
そんな株主優待を、もはやオマケとして考えるのではなく株式投資の利回りとして算入するという考え方があります。確かに比較的株価の安い企業の株式であれば少ない投資金額で魅力的な優待を受けられることもありますから、その場合は非常に高い利回りということになっておトクだと考えることも出来ます。
それで具体的な例で考えてみることにしましょう。株価が500円、最低売買単位が100株という株式があったとします。この株式の配当が1株につき10円だとします。まずは配当利回りだけを計算してみましょう。株価500円×100株=5万円が最低売買単位です。5万円が初期投資金額で、配当は1株につき10円ですから100株をかけると1000円となります。5万円の投資で年間1000円の配当。これで配当利回りは2%です。株式の配当はこの水準でも珍しくないので、この企業は平均的な配当利回りと言っても良いでしょう。
さて、この企業が100株以上の株主に対して株主優待として5000円相当の商品を提供したとしたらどうでしょう。もちろん商品は現金ではないので同じように算入することは難しいですが、換金性の高いものであったり生活に必要なものであれば同等の金銭的価値があるとして計算します。5万円の投資に対して5000円の優待。つまり年利10%です。先ほどの配当と合わせると、なんと年利12%もの金融商品になるのです。株主優待が人気を集めているのはまさにこの点です。
株価は株式市場が決めるものであって企業が自社の株価を決めることは出来ません。そのため、株主優待として自社製品などを用意している水準が株価に対して豪華に見えることはよくあるのです。当然株価が上がってもその水準はおそらく変わらないので、相対的に株主優待の利回りは低下します。
そのため、現在値ごろ感のある株価水準で株主優待が充実している銘柄があったとすれば、仮に無配当で配当利回りの魅力がなかったとしても株主優待で充分な利回りを得ることが可能かも知れません。
株主配当の情報を提供しているサイトは当然このことも認識しているので、株主優待を得るための最低株式数を購入するにはいくら必要かを明示してくれていますから、株主優待の利回りを簡単に計算することが出来ます。

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