株主優待を株式投資の利回りとして算入


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株式投資は数ある投資の中のひとつです。他にも銀行預金や投資信託、商品先物や今はやりのFXまで、あらゆる投資商品があります。その中で株主優待のように商品やサービスをもらえるという投資商品は株式以外にありません。ある意味では株式投資のユニークな点と言っても良いと思います。
そんな株主優待を、もはやオマケとして考えるのではなく株式投資の利回りとして算入するという考え方があります。確かに比較的株価の安い企業の株式であれば少ない投資金額で魅力的な優待を受けられることもありますから、その場合は非常に高い利回りということになっておトクだと考えることも出来ます。
それで具体的な例で考えてみることにしましょう。株価が500円、最低売買単位が100株という株式があったとします。この株式の配当が1株につき10円だとします。まずは配当利回りだけを計算してみましょう。株価500円×100株=5万円が最低売買単位です。5万円が初期投資金額で、配当は1株につき10円ですから100株をかけると1000円となります。5万円の投資で年間1000円の配当。これで配当利回りは2%です。株式の配当はこの水準でも珍しくないので、この企業は平均的な配当利回りと言っても良いでしょう。
さて、この企業が100株以上の株主に対して株主優待として5000円相当の商品を提供したとしたらどうでしょう。もちろん商品は現金ではないので同じように算入することは難しいですが、換金性の高いものであったり生活に必要なものであれば同等の金銭的価値があるとして計算します。5万円の投資に対して5000円の優待。つまり年利10%です。先ほどの配当と合わせると、なんと年利12%もの金融商品になるのです。株主優待が人気を集めているのはまさにこの点です。
株価は株式市場が決めるものであって企業が自社の株価を決めることは出来ません。そのため、株主優待として自社製品などを用意している水準が株価に対して豪華に見えることはよくあるのです。当然株価が上がってもその水準はおそらく変わらないので、相対的に株主優待の利回りは低下します。
そのため、現在値ごろ感のある株価水準で株主優待が充実している銘柄があったとすれば、仮に無配当で配当利回りの魅力がなかったとしても株主優待で充分な利回りを得ることが可能かも知れません。
株主配当の情報を提供しているサイトは当然このことも認識しているので、株主優待を得るための最低株式数を購入するにはいくら必要かを明示してくれていますから、株主優待の利回りを簡単に計算することが出来ます。

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このページは、isが2008年2月20日 16:07に書いたブログ記事です。

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